キッティングの作業は複雑であるため、企業がIT機器を購入した際に大きな課題となります。この記事では、キッティングサービスの定義、活用するメリット、費用相場について解説します。代行業者の選び方と比較ポイントについても解説するので、キッティングサービスの導入を検討している人は、参考にしてください。


目次
キッティングサービスとは
キッティングサービスは、IT機器を業務で使える状態に設定するサービスです。専門業者に委託すれば、作業負荷の軽減と設定ミスの防止につながります。以下では、キッティングの定義とセットアップとの違い、キッティングが必要な理由について解説します。
そもそもキッティングとは
キッティングとは、パソコンやタブレットなどのIT機器をすぐ使えるように設定することです。具体的には、梱包を開封し、IT機器を業務で使える状態にする作業全般を指します。初期設定やソフトウェアのインストール、業務システムとの連携も含まれます。
キッティングとセットアップの違い
セットアップとは、IT機器にソフトウェアをインストールし、利用可能な状態にすることです。一方で、キッティングは、IT機器を組み立て、すぐ使える状態にする作業を意味します。キッティングにはパソコンや周辺機器、各種ツールのセットアップ作業も含まれており、それをイメージすると理解しやすいでしょう。
キッティングが必要な理由
購入したばかりのIT機器には、業務用のソフトやツール、ネットワーク設定がありません。そのため、IT機器を使えるようにするためにはキッティングが必要です。新入社員の入社やオフィスの開設・移転、IT機器の買い替えなどでは、大量のキッティング作業が必要となります。
キッティングサービスを活用するメリット
キッティングサービスを活用するメリットは、主に3つあります。以下で、それぞれについて解説します。
IT部門の業務負担の軽減
IT部門の業務負担の軽減は、キッティングサービスを活用するメリットです。キッティング作業は工程が多く、機器の台数が増えるとIT部門の負担も増しますが、キッティングサービスを利用すれば、負担を減らして重要な業務に集中できます。
作業品質の均一化
キッティングサービスを活用することで、作業品質が均一化されます。クローニングや自動化ツールを使用することで、作業漏れやミスを防ぎ、機器の品質を一定に保てるようになります。また、初期不良やトラブルが発生しても、専門業者が迅速に対応し、影響を最小限に抑えることも可能です。
セキュリティリスクの低減と情報漏洩対策
キッティングサービスを活用することで、セキュリティリスクを低減し、情報漏洩対策にも効果があります。自社でキッティングを行う場合、ノウハウや知識が不足していると作業に時間がかかり、セキュリティ面の対応も難しくなります。
しかし、キッティングサービスを活用すれば、プロが必要なソフトウェアを確実にインストールするため、設定ミスや漏れを防げます。
キッティングサービスの作業内容
キッティングサービスによって提供される内容は異なりますが、一般的に以下の作業を依頼できます。
・端末の選定と調達:要件に合わせてIT機器を選定・調達
・キッティング作業:初期設定、ネットワーク設定、セキュリティ設定、アプリのインストール、認証手続きなど
・付属品の取り扱い:SIMカードの挿入や付属品の取り付けなど
・前後処理:導入計画や現状分析、端末の入庫・開封・消毒、動作確認、配送の手配、設置後のコンサルティング、廃材の回収や廃棄業者の手配など
・運用支援:保守管理やデータ復旧サービスなど
・資産管理:ラベルの作成・貼り付けや、台帳作成など
キッティングサービスの費用相場と目安
キッティングサービスの費用は、パソコンの場合は3,000~6,000円程度、スマートフォンの場合は2,000円程度が相場です。費用は依頼する台数によって異なり、大規模な依頼では1台あたりの単価が安くなります。また、サービスによっては初期費用が発生する場合もあるため、相見積もりを取りましょう。
キッティングサービスを依頼する手順と流れ
キッティングをサービス提供会社に依頼する際は、主に次の手順で作業が進められます。
1.案件ヒアリング・見積書の作成
2.発注決定・作業準備
3.機器手配・環境準備(お客様対応)
4.パソコンキッティングの場合:評価用パソコンの準備・作成、スマートフォンキッティングの場合:実機検証・手順書作成
5.必要情報の連絡(お客様対応)
6.機器受入
7.キッティング
8.出荷
キッティングサービス代行業者の選び方と比較ポイント
ここでは、キッティングサービス代行業者を選ぶ際の比較ポイントを6つピックアップし、解説します。
料金プラン
キッティング代行サービスを依頼する際は、まず自社のニーズに合った内容を整理し、適切な料金プランを提供する代行業者に任せましょう。料金プランは「少数機器対応」や「大規模対応」など、代行業者によって異なります。そのため、機器数に応じて選び、費用対効果を慎重に見極めることが重要です。
対応エリア
対応エリアは、代行業者によって異なる場合があるため、事前に条件を確認しておきましょう。訪問サービスを提供している代行業者であれば、トラブル時にも迅速に対応できるため、安心です。
対応可能な規模と台数、期間
キッティングサービス代行業者を選ぶ際は、対応可能な規模と台数、期間を比較しましょう。大規模な依頼では費用や納期が代行業者によって異なります。一方、小規模な依頼では受け付けない代行業者もあるため、事前に実績を確認しましょう。また、納期が長くなる代行業者もあるため、急ぎの場合は早期納品を提供する代行業者を選ぶことも大切です。
サポート内容
キッティングサービス代行者のサポート内容の確認も必須です。例えば、設定やアプリのインストール、動作確認、個別配送などを含むかチェックします。また、キッティング後の不具合対応があるかも確認し、サポート体制が整っていれば、トラブルにも迅速に対応してもらえます。
セキュリティ対策
キッティングサービス代行業者を選ぶ際は、セキュリティ対策が重要です。作業内容によっては社内情報の共有が必要となるため、情報漏えいリスクを最小限に抑えることが求められます。セキュリティ対策の高さを重視したい場合は、自社訪問対応のサービスを選ぶとよいでしょう。
実績
キッティングサービス代行業者を選ぶ際は、実績のある事業者かを確認することも重要です。実績が少ない事業者に依頼すると、予期しないトラブルが発生することがあります。依頼する作業の実績があるかどうかも、事前に確認しておきましょう。
キッティングサービスの注意点と導入時のリスク
IT機器の台数や設定内容によっては、負担が増すことがあるため、注意しましょう。数台であれば手作業でも対応可能ですが、数十台以上や設定が異なる場合は、迅速な作業とミスのない対応が求められます。特に、セキュリティ設定のミスは重大なリスクを招くため、慎重に行いましょう。
また、IT機器をそのまま複製することはライセンス違反になる場合があるため、注意が必要です。プリインストールされたOSなどは、複製できないため、クローニングを行う場合は適切なボリュームライセンスを契約しておく必要があります。
まとめ
キッティングサービスは、IT機器を業務使用に適した状態に設定するサービスです。キッティングサービスを活用すると、IT部門の業務負担の軽減を始め、作業品質の均一化、セキュリティリスクの低減など、多くのメリットを得られます。
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【執筆者】
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