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保管代行とは?仕組み・料金・メリットと導入時の注意点を徹底解説

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保管代行とは、在庫の保管業務を外部に委託する仕組みです。倉庫の維持管理にかかる負担を抑え、在庫精度の向上にも寄与します。物流体制の最適化を図る手段として、導入する企業が増えています。本記事では、保管代行のメリットと注意点を解説します。

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Contents
  1. 保管代行とは
    1. 保管代行と物流・倉庫の役割
    2. 発送代行との違い
    3. 保管に特化する意義(在庫精度・環境管理・拡張性)
  2. 保管代行と併せて委託できる発送代行
    1. 発送代行とは
    2. 検品(数量・状態・ラベリング確認)
    3. ピッキング(出荷指示に基づく在庫引当)
    4. 梱包(資材選定・同梱物管理)
    5. 出荷(伝票発行・配送手配・ステータス連携)
    6. 委託・発注範囲の線引き(保管業務との役割分担)
    7. システム連携(WMS/OMSとのデータ同期)
  3. 企業が抱える保管業務の課題
    1. スペース不足と拡張コストの増大
    2. 在庫管理精度の低下と属人化
    3. 環境・セキュリティ管理の限界
  4. 保管代行を導入するメリット
    1. 保管コストを削減できる
    2. リソースを再分配できる
    3. 品質管理や在庫精度の向上を目指せる
    4. ミスを減らせる
  5. 保管代行サービスの料金体系と費用構造
    1. 料金体系の種類(坪単価・在庫量課金など)
    2. 費用目安と見積もり時の注意点
    3. 導入効果と費用対効果の考え方
  6. 保管代行サービス導入の流れと方法
    1. 1. 事前ヒアリング(SKU・在庫量・保管条件の共有)
    2. 2. 候補比較(委託範囲・設備・システム要件の適合)
    3. 3. 見積・試験導入(費用構造・SLA・運用テスト)
    4. 4. 契約・移管準備(在庫移送計画・マスタ整備)
    5. 5. 本稼働と運用改善(KPI設定・定例レビュー)
  7. 導入時の注意点
    1. 委託範囲の明確化(責任分界・SLA・付帯業務)
    2. 保管環境・条件の確認(温湿度・防虫防塵・セキュリティ)
    3. システム連携・データ設計(WMS連携・在庫同期・障害時対応)
    4. リスク対策と契約面のチェックポイント(賠償・保険・退出条件)
  8. まとめ

保管代行とは

保管代行は在庫を倉庫で管理し、物流の前段階を効率化するサービスです。ここでは、保管代行の役割や発送代行との違いを解説します。

保管代行と物流・倉庫の役割

保管代行は、物流の基盤として在庫を安全に管理し、温湿度やセキュリティを一定に保ちながら、倉庫運用によって品質と在庫精度を確保する役割です。入庫から出荷までの流れを安定させることで、物流全体の生産性と効率を高めます。

発送代行との違い

保管代行は在庫の保管を担う一方、発送代行はピッキング、梱包、配送手配など出荷工程を代行するサービスです。役割が明確に異なるため、目的や課題に応じて委託範囲を切り分けることで、在庫精度と物流効率を最適化できます。

保管に特化する意義(在庫精度・環境管理・拡張性)

保管に特化することで、温湿度やセキュリティ、防虫防塵の基準を統一し、在庫精度と品質を安定的に維持できます。また、需要の波に合わせて容量を柔軟に拡張し、欠品や滞留を抑え、長期的な効率化と安定運用を実現します。

保管代行と併せて委託できる発送代行

保管業務と発送業務は密接に関係しており、両者を連携させることで在庫管理から出荷までの効率化が実現します。ここでは、発送代行に委託できるおもな業務を紹介します。

発送代行とは

発送代行とは、商品のピッキング、梱包、配送手配など出荷に関する一連の業務を代行するサービスです。ECサイトや小売業などで多く利用されています。倉庫に保管された商品をスムーズに出荷するための工程を担い、出荷精度や配送スピードの向上に寄与します。自社の販売業務や顧客対応にリソースを集中できる点も大きな利点です。

検品(数量・状態・ラベリング確認)

検品では数量と状態を確認し、ラベルやバーコードを照合します。スキャンとダブルチェックを標準化し、履歴を記録して追跡性を確保します。また、手順を明確化することでミスの発生を防ぎ、正確な出荷と在庫精度を保つ点も特徴です。

ピッキング(出荷指示に基づく在庫引当)

ピッキングは出荷指示に基づき、在庫を正確に引き当てる重要な工程です。動線設計とスキャン照合を徹底し、スピードと精度を両立させます。差異の即時検知と検品との整合性チェックを仕組み化し、属人化を抑制してリードタイム短縮と誤出荷防止を両立することが可能です。

梱包(資材選定・同梱物管理)

梱包は商品を安全に届ける前の最終工程で、品質と顧客満足の両面に直結する重要なフェーズです。資材の最適選定と同梱物管理を強化し、破損や封入ミスを防ぎながら梱包します。検品との連携やチェック体制の標準化により、返品率と再配達コストを下げることも可能です。

出荷(伝票発行・配送手配・ステータス連携)

出荷では、伝票発行・配送手配・ステータス連携を正確かつ迅速に行う必要があります。配送情報のリアルタイム更新で問い合わせ対応を円滑化し、異常発生時の検知と初動対応を迅速に行うことで、顧客への信頼性を高めます。

委託・発注範囲の線引き(保管業務との役割分担)

保管代行と発送代行の委託範囲を明確にすることで、作業の重複や抜け漏れを防げます。入出庫管理や在庫移動などを整理することで効率が高まります。

システム連携(WMS/OMSとのデータ同期)

WMSやOMSなどの在庫管理システムと連携することで、出荷処理の効率が高まります。リアルタイムのデータ同期により、誤出荷防止や在庫精度の維持が可能です。

企業が抱える保管業務の課題

保管スペースや管理体制を自社で抱える企業では、コストや精度の両面で課題が生じがちです。ここでは、企業が直面しやすい代表的な課題について解説します。

スペース不足と拡張コストの増大

自社倉庫の保管スペースが不足すると、増設や賃料負担、人件費の増加が避けられず、繁忙期への柔軟な対応が難しくなります。さらに、新たな設備投資は初期コストが大きく、在庫の変動に応じた調整も困難です。

在庫管理精度の低下と属人化

担当者依存の在庫管理は、棚差・ロット誤り・情報遅延といったリスクを生みやすく、属人的な判断で精度が揺らぐという懸念が拭えません。手作業中心では差異の原因追跡も困難で、業務継続性も低下してしまうでしょう。

環境・セキュリティ管理の限界

自社設備だけで温湿度、防虫防塵、入退室管理などを一定水準で維持するのは難しく、監視や点検の負荷も増大します。少しの管理ミスが、品質劣化や在庫ロスを招く恐れもあるでしょう。

保管代行を導入するメリット

ここでは、保管業務を外部委託することで受けられる、代表的な4つのメリットを紹介します。

保管コストを削減できる

保管業務を外部に委託することで、自社倉庫の固定費を変動費化できます。繁忙期のみ容量を拡張し、閑散期は縮小することで、賃料・人件費・光熱費のムダを削減可能です。さらに資材・設備の共通化により、全体コストの最適化と利益率向上を実現できるでしょう。

リソースを再分配できる

保管業務を委託することで、限られた人員と時間を開発・企画・販促などのコア領域へ再分配できます。これにより現場オペレーションの属人性が下がるほか、管理負担の軽減により、改善活動や新規施策にリソースを投下でき、組織全体の生産性が高まります。

品質管理や在庫精度の向上を目指せる

温湿度、防虫防塵、入退室管理といった保管環境の統一により、品質と在庫精度の維持が安定します。また、バーコード照合やロット管理、定期棚卸によって差異を低減し、顧客満足度の向上にも寄与するでしょう。

ミスを減らせる

入庫・検品の各工程にチェックポイントと照合を組み込み、人為的ミスの発生を工程内で抑えます。標準作業書と教育、重量検品や自動アラートを組み合わせることで、逸脱を早期に検知し、再発防止まで一連で対策できます。

保管代行サービスの料金体系と費用構造

保管代行を導入する際は、料金体系や費用構造を正しく理解することが重要です。ここでは料金体系と費用構造を解説します。

料金体系の種類(坪単価・在庫量課金など)

料金体系には坪単価や在庫量課金、パレット単位、ロケーション固定など複数の方式が存在します。保管条件や流通加工、温湿度や危険品対応、繁閑差への柔軟性などによって、費用は大きく変動します。契約時には最低利用料や追加料金の条件も細かく確認することが重要です。

費用目安と見積もり時の注意点

見積もりでは坪単価や在庫料だけでなく、入出庫作業、棚卸、ラベル発行、帳票作成、立会い、報告対応などの付帯費用を必ず確認します。見積条件と請求単位を統一し、比較軸を明確にして、想定外のコストを抑えることが大切です。

導入効果と費用対効果の考え方

費用対効果を算出する際は、導入前後の作業工数・人件費・誤出庫率の変化を比較し、総合的に効果を評価します。また、保管精度向上による返品削減や業務効率化のメリットも考慮すると、より正確な判断が可能です。

保管代行サービス導入の流れと方法

ここでは、保管代行サービスを効果的に導入するための流れと、各段階のポイントを解説します。

1. 事前ヒアリング(SKU・在庫量・保管条件の共有)

SKU構成、在庫量、ロット、温湿度条件、危険品区分、帳票要件などを事前に共有し、必要面積と作業体制の前提を明確にします。さらに、異常時対応や情報連携フローも定義しておくことで、移管後の齟齬や遅延を防げるでしょう。

2. 候補比較(委託範囲・設備・システム要件の適合)

設備基準、温湿度管理、セキュリティ体制、対応可能業務、WMS連携可否、レポート精度、費用構造、波動対応力などを、多角的に比較します。単なる価格だけでなく、障害復旧体制や品質管理レベル、SLA遵守率も評価軸に含めましょう。

3. 見積・試験導入(費用構造・SLA・運用テスト)

複数社から統一条件で見積を取得し、基本料と追加費用の発生条件を精査します。小規模な試験導入で、入出庫精度、リードタイム、障害対応の実績を検証することが大切です。SLA遵守度を可視化し、課題を早期に洗い出すことで、契約後のリスクを最小化し、円滑な運用移行を実現します。

4. 契約・移管準備(在庫移送計画・マスタ整備)

移送スケジュールと車両手配、ロケーション割当を計画し、商品マスタやバーコードを整備してシステム接続テストを実施します。温度帯・危険品・特定管理品の扱いを明確化することで、移送時の混乱や事故を防ぎます。

5. 本稼働と運用改善(KPI設定・定例レビュー)

本稼働後は、入出庫精度や在庫差異率、保管コストなどのKPIを設定し、運用状況を可視化します。定例レビューでは結果と原因を共有し、改善策を迅速に実行することで、業務の精度と効率を継続的に向上させます。

導入時の注意点

ここでは、トラブルやコスト増加を防ぐために、導入時に押さえておくべき重要なポイントを解説します。

委託範囲の明確化(責任分界・SLA・付帯業務)

委託範囲を曖昧なまま運用すると、責任分界や付帯作業の扱いで齟齬が生じやすくなります。SLA・業務範囲・異常時の対応を文書化し、判断の基準を統一しましょう。早期に線引きを行うことで品質のばらつきやコスト超過を防止し、運用リスクを最小限に抑えることが可能です。

保管環境・条件の確認(温湿度・防虫防塵・セキュリティ)

倉庫の温湿度、清浄度、防虫防塵、入退室管理、監視カメラなどの環境基準を事前に確認します。監査体制や是正手順を定め、逸脱時の報告と対応ルールを共有します。基準が異なると品質劣化や異物混入のリスクが高まるため、現地確認と定期検証をセットで実施することが重要です。

システム連携・データ設計(WMS連携・在庫同期・障害時対応)

APIやEDIの仕様、在庫同期間隔、締め処理、返品データ管理などを設計し、障害時の代替ルートと再送手順を明文化します。運用フローをドキュメント化し、担当者交代時もスムーズに引き継ぐ体制の構築が大切です。連携精度を監視し、異常検知と通知を自動化することが理想です。

リスク対策と契約面のチェックポイント(賠償・保険・退出条件)

破損・紛失時の賠償範囲、保険適用条件、災害対応、契約解除・退出条件などを事前に明確化することは重要です。監査権限や是正期限、保険金請求の手順まで整理し、想定外コストの発生を防ぎます。役割分担と初動対応のフローを文書化すれば、トラブル時の損失を最小限に抑えられます。

まとめ

保管代行は、在庫の保管を外部の専門業者に委託することで、倉庫運用にかかるコストや人的リソースの負担を大幅に削減できる仕組みです。

さらに、属人化によるミスの防止や、標準化されたオペレーションによる業務効率の改善も可能です。限られたスペースや管理体制の制約で、自社対応では理想的な運用が難しいケースも少なくありません。そんなときこそ、アドレス・サービス株式会社が力になります。

定期メンテナンスやリペア(修理)にも対応し、長年の実績に基づくノウハウで、安心・安全かつ効率的な保管環境を実現します。

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【執筆者】
会社名:アドレス・サービス株式会社
部署名:営業開発部

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