コールセンターでは、商品やサービスに関する質問だけでなく、クレームが寄せられることも少なくないです。クレーム対応は、初期動作を誤るとトラブルにつながります。さらに、オペレーターの心を守る必要もあり、コールセンター業務のなかでも難しい領域です。

本記事では、コールセンターにおけるクレーム対応の基本手順やポイント、オペレーターの負担を減らす方法などを解説します。

クレーム対応に関する基礎知識

まずは、クレームの定義や苦情との違いなど、クレーム対応に従事する人が知っておきたい基礎知識を解説します。

そもそもクレームとは

クレームとは、顧客が企業に対して、商品やサービスに対する不満や怒りを伝え、返品や返金などを要求することです。

例えばコールセンターでは、自社が提供する商品やサービスについて「使いづらい」「スタッフの対応が悪かった」などのクレームを受けることが多くあります。

クレームと苦情の違い

クレームとは、顧客が自ら受けた損害に対して、その不利益に対する請求行為をすることです。一方、苦情とは、顧客が商品やサービスなどに対して抱いた不平や不満を伝えることを指します。

ただし、日本では、「クレーム」が「苦情」の意味合いを内包した言葉として使われることが多いでしょう。

クレームが発生するおもな原因

クレームが発生する原因は多岐にわたりますが、おもに以下の4つに分類されます。

商品やサービスに関する不満

商品やサービスの不具合やミスに対して、不満を伝えるためにクレームをする人は少なくないです。

例えば「届いた商品が破損していた」「期待したサービスを受けられなかった」といったクレームが考えられます。

店舗や窓口での対応に関する不満

店舗や窓口での従業員の対応に関して、「敬語がなっていない」「説明が分かりにくい」などのクレームを申し立てられるケースです。スタッフがほかの顧客に対応している様子を見て、自分との待遇差を感じ、クレームを申し立てる人もいます。

また、コールセンターのオペレーターの対応に対してクレームが寄せられることもあるでしょう。

顧客の勘違い

クレームのなかには、事実に基づくものだけでなく、顧客の勘違いから発生するものもあります。

例えば「顧客が説明書を読み間違えていた」「他社製品を自社のものと勘違いされた」といったクレームが考えられます。

間違いや改善点の指摘

商品説明との相違や手配ミスなど、企業側の間違いを指摘するためのクレームもあります。

また、顧客が商品やサービスに対して「こうしたらよいのに」と思う部分に対して、親切心から意見を述べているケースも少なくないでしょう。

【具体例】オペレーターが対応に困るクレームとは

顧客からのクレームには、商品やサービスの改善に役立つ有益な指摘もある一方、対応するオペレーターを疲弊させる「困った」クレームも存在します。

感情的なクレーム

クレーム中に顧客が激高したり、泣いてしまったりするケースは対応が難しいものです。まずは顧客の気持ちが落ち着くまで待ちつつ、無理難題にはき然と対応することが重要です。

長時間のクレーム

顧客からのクレームが長時間に及ぶと、オペレーターの精神的負担が増してしまいます。同じ話を何度も繰り返されることもあれば、話に区切りがついてもまた別の不満点を挙げてくることもあるでしょう。

業務に支障が出ないよう、適切なタイミングで区切りをつける必要があります。

暴言や理不尽な要求を伴うクレーム

「バカ」や「役立たず」などの暴言を伴うクレームは、オペレーターにとって大きな精神的負担となります。また、高額な慰謝料や土下座を求めるなど、理不尽な要求を伴う場合もあるでしょう。

クレーム対応の基本手順

コールセンターに寄せられたクレームには、以下のような順番で対応するとスムーズです。

1. 顧客の話を聞く

まず、顧客の話に耳を傾けましょう。相手の話を遮らずに最後まで聞き、抱えている不満や感情を全て吐き出してもらうことが最優先です。

共感や傾聴の姿勢を大切にしながら、相手の意見を真摯に受け止めます。

2. 事実確認をする

顧客の話を最後まで聞いたら、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を用いた質問を通じて、発生した事象の事実関係を確認しましょう。客観的な事実を1つずつ整理していくことで、真の問題点を明確にします。

3. 解決案や代替案を提示する

次に、整理した事実に基づき、顧客の立場に立った解決案や代替案を提示しましょう。

その際、顧客が求めていることを再確認しつつ、企業として対応可能な範囲の線引きを明確に伝えることが大切です。できること、できないことを曖昧にせず、双方が納得できる着地点を模索します。

4. 謝罪と感謝の気持ちを伝える

自社の製品やサービスに非があることが判明した場合は、誠心誠意の謝罪を行いましょう。また、貴重な時間を割いて改善につながる意見を寄せてくれたことに対し、感謝の意を伝えます。

コールセンターにおけるクレーム対応のコツ

ここからは、コールセンターにおけるクレーム対応で大切な4つのポイントを解説します。

顧客の気持ちに寄り添う

自分の時間を割いてまでクレームを言う人は、「自分の不満を聞いて、感情を理解してほしい」という思いを持っています。

まずは、その気持ちに深く寄り添い、否定せずに共感を示すことが重要です。自分は理解者であり、困りごとを解決したいと思っていることを言葉で示すと、顧客の高ぶった感情も落ち着きやすくなります。

要求の内容を正確に把握する

クレーム対応では、顧客の要求を正しく理解することが不可欠です。表面的な怒りの言葉に惑わされず、問題の本質はどこにあるのか、どのような対応を求めているのかを正確に把握しましょう。

よく使う言い回しやクッション言葉を覚える

クレーム対応でよく使用される言い回しや、言葉の当たりを和らげる「クッション言葉」を身につけておくことも効果的です。

「恐れ入りますが」や「お手数ですが」といった、言葉のワンクッションを入れるだけで、相手に与える印象は大きく変わります。また、クレーム対応で頻出する言い回しには、以下のようなものがあります。

・ご事情をお察しいたします

・この度は、お客様に不快な思いをさせてしまい申し訳ございません

・至急確認の上、あらためてご連絡差し上げてもよろしいでしょうか など

正当なクレームと悪質なクレームを見極める

コールセンターに寄せられるクレームは、サービス改善につながる正当な指摘ばかりではなく、理不尽で悪質なものも存在します。

個別の事情に配慮しつつも、過度な要求や執拗な嫌がらせに対しては、法律や自社の明確なルールに則りき然と対応しましょう。

クレームへのNG対応

次に、クレームへのNG対応を解説します。以下のような対応は、顧客の神経を逆なでする可能性があるため避けるようにしましょう。

相手の言葉を否定する

顧客に対して、「お言葉ですが」「先ほどから申し上げている通り」など、相手の言葉を否定するような言葉の使用は厳禁です。こうした表現は、自分の意見が軽視されたという不快感を与え、相手の神経を逆なでする恐れがあります。

顧客の言い分に疑問があっても、まずは相手の気持ちを尊重するよう心がけましょう。

断定的な表現を使う

「絶対に無理です」「普通はそんなことはしません」など、断定的で強い言葉を使うと、攻撃的でマイナスな印象を与えてしまいます。

また、トラブル回避の観点から、顧客にとってメリットのある約束をする場合でも「絶対」という表現は避けるべきです。

相手の話を受け止めずに反論する

顧客の話に対して「だって」「ですから」など、反論のニュアンスが強い言葉を挟むことも厳禁です。

たとえ相手の話の筋が通っていなくても、まずは遮らずに最後まで聞き、共感して受け止めることが大切です。

コールセンターに対するクレームを減らす方法

コールセンターには商品やサービスへの不満だけでなく、オペレーターの対応品質に対するクレームが入ることもあります。こうしたクレームを減らすためには、以下のポイントを確実に押さえることが大切です。

クレーム対応を振り返り、分析する

過去に発生したクレーム内容の記録・分析は、サービスの改善に直結します。

オペレーターの態度や言葉選びの癖、表現の適切さなどを振り返ることで、組織全体の応対品質の底上げに役立てましょう。

会話の内容を録音する

顧客からのクレームに対応する際は、会話の内容を録音しましょう。事後の振り返りに活用できるだけでなく、あらかじめ「応対品質向上のため録音させていただきます」と伝えることで、悪質なクレームをけん制する効果が期待できます。

トークスクリプトを整備する

トークスクリプトとは、顧客との会話の流れや、適切な言い回しをまとめた「台本」のようなものです。問い合わせやクレームの類型ごとに対応例をまとめておくことで、均一で高品質なサービスを提供できます。

オペレーターのトレーニングに力を入れる

オペレーターの対応品質を底上げするためには、継続的なトレーニングが欠かせません。基本的な言葉遣いや表現技法はもちろん、商品やサービスに関する専門知識、さらにはストレスを軽減するためのメンタルケアなど、多角的なスキルを学べる機会を設けましょう。

クレーム対応のストレスを軽減するために意識するべきポイント

クレーム対応によるストレスを軽くするために、オペレーターは以下の3点を意識しましょう。

クレーム=オペレーター個人に対する文句ではない

クレームの矛先が自分自身に向けられていると感じると、精神的なダメージを受けやすくなります。

例えば、商品の破損に対するクレームは、あくまで在庫管理や輸送過程の不備が原因であり、応対しているオペレーター個人の落ち度ではありません。顧客の怒りの対象はあくまで「事象」であり、自分自身ではないと正しく理解することが大切です。

程よい割り切りを持つ

顧客のクレームに過度に感情移入すると、相手の怒りや不安に共鳴して、オペレーターの精神が摩耗する可能性があります。真摯に寄り添う姿勢は重要ですが、相手の感情の波に飲み込まれないよう、ある程度「仕事」として割り切ることも必要です。

対応に困る場合は上長にエスカレーションする

自分の手に負えない、対応しきれないと感じた場合は、1人で抱え込まず、速やかに上長へエスカレーションしましょう。どの段階で判断を仰ぐべきか、あらかじめ具体的な基準を明確にして、ルール化しておくことも大切です。

まとめ

コールセンターにおけるクレーム対応では、相手の気持ちに寄り添い、要求を正確に把握する必要があります。一方、オペレーターが自分の心を守るためには、顧客の感情に飲み込まれないよう、ある程度の線引きをすることも大切です。

しかし、世の中には理不尽で悪質なクレーマーも存在し、オペレーターにとっては大きなストレスとなります。従業員の負担軽減のために、クレーム対応の外注も検討してみましょう。

アドレス・サービス株式会社では、コールセンター業務に関するアウトソーシングをはじめ、体制構築の一部からご相談いただけます。豊富な実績に基づく的確な対応で、エンドユーザーの満足度向上に寄与します。

クレーム対応にお悩みなら、まずはお気軽にお問い合わせください。

【執筆者】
会社名:アドレス・サービス株式会社
部署名:営業開発部