梱包作業や発送作業は手間がかかり、すべてを自社で担っている場合、従業員の負担になりかねません。この記事では、梱包・発送代行サービスの基本情報やメリット・デメリット、業者の選び方を解説します。手間のかかる作業を減らし、効率化したいと考えている場合の参考にしてください。


目次
梱包・発送代行サービスとは
梱包・発送代行サービスとは、企業や個人事業主の代わりに、商品の梱包や発送をするサービスです。化粧品や食品から工業製品などの大きなサイズの商品まで、さまざまな商品を梱包して発送をします。
また、梱包や発送だけではなく、ギフト用ラッピングやパンフレットの挿入、タグ付け、商品の組み立て、検品も対応可能です。梱包業務の負担軽減や、年中対応できる物流システムの整備、繁忙期の人手不足解消にも役立つでしょう。
梱包・発送代行業者に委託できる業務内容を解説
梱包・発送の代行を依頼する場合、業務内容が業者によって異なるため、どのような作業を委託できるかを確認しましょう。梱包・発送代行業者の作業範囲は、梱包する商品を受け取り、その商品や特性に合わせて梱包するだけではありません。
一般的には、納品書や送り状・チラシ・パンフレットなどの同梱、パーツの取付など商品の組み立て、検品やタグ付け・ギフトラッピングを施したうえでの発送を委託できます。また、物流業務全般を担う「フルフィルメントサービス」を提供している業者もあります。
フルフィルメントサービスとは
フルフィルメントサービスとは、商品の入庫や保管・受注処理・梱包・発送・返品対応までを含めた、物流業務全般を代行するサービスです。物流業務の負担が大幅に減るため、販売やマーケティングといったコア業務に集中できる点がメリットです。また、一定の固定費がかかるものの、従量課金制によって自社の規模に合わせることでコストを抑えられます。
ECサイトや通販企業など、業務が拡大して荷物量が増えたり、作業スペースが不足したりする場合は、フルフィルメントサービスを利用するとよいでしょう。
梱包・発送代行サービスを活用するメリット
以下では、梱包・発送代行サービスの活用によって得られる5つのメリットについて解説します。
作業分のリソースを確保できる
梱包・発送代行サービスには、梱包から発送まで全ての業務を委託できます。自社でEC業務に取り組んでいる場合は、梱包だけではなく商品管理や企画・開発をしなければなりません。取り扱う商品や受注数が増えると、梱包業務も増えます。
梱包業務を委託することで、新商品の開発や買い付けなどのリソースを確保して、優先度の高い業務に集中できるでしょう。
コスト削減につながる
梱包・発送代行サービスを活用すると、物流量に応じて人員が配置されるため、人材コストの最適化ができて、コスト削減につながります。配送業者によっては、出荷量に応じた特約運賃を設けているケースがあるため、配送コストの削減も期待できます。また、適切なサイズの箱や資材で梱包することで、1箱あたりの配送料も抑えられます。
品質の向上が期待できる
梱包の知識が十分ではない自社の従業員が梱包すると、配送中に商品が破損したり、大型商品の梱包に時間がかかったりする可能性があります。梱包・発送代行サービスに梱包を委託すると、梱包のプロが適切な梱包をします。プロに任せることで問題発生のリスクが下がり、梱包から配送までの品質維持が可能です。
梱包・発送業務を可視化できる
梱包・発送代行サービスを活用すると、梱包から発送までを可視化できます。在庫の保有数や、梱包から発送までにかかる費用といったデータを定期的に送ってくるため、自社で算出する手間が省けます。物流の流れを可視化できると経営全体が把握しやすくなり、コスト削減や人員配置の最適化が実現し、経費削減を課題とする企業のメリットとなるでしょう。
在庫保管スペースが不要になる
梱包・発送代行サービスの導入により、商品在庫の保管スペースが不要になります。梱包・発送代行サービスにおいては、業者が用意した倉庫に商品を保管し、出荷指示が出た商品を梱包して発送するのが一般的です。多くの在庫を維持しなければいけない場合も、自社で保管スペースを確保する必要がないため、スペースの有効活用が可能です。
梱包・発送代行サービスを活用するデメリット
梱包・発送代行サービスにはデメリットも存在します。ここでは、おもなデメリットを3つ、解説します。
ノウハウ・実績が自社に蓄積されない
梱包・発送代行サービスに梱包や発送作業に委託すると、ノウハウや実績が自社に蓄積されません。自社で梱包・発送作業をする状況になった場合、それらの作業に関するノウハウや実績がないと、誤配送や梱包ミスが発生する可能性があります。将来的に自社での梱包・発送作業を検討している場合は全てを委託せず、作業の一部に携わることが重要です。
柔軟な対応が難しい場合がある
梱包・発送代行のサービスは、定められたルールに沿って提供されるため、柔軟な対応ができない場合があります。特定の包装紙やリボンを使用したい、ラッピングをしてほしいといった要望があっても、対応できなかったり追加料金がかかったりします。依頼する際には、要望に応えられる範囲を確認しましょう。
情報漏洩のリスクがある
梱包・発送代行サービスを導入する際には、顧客の氏名・住所・電話番号・注文内容などの個人情報を業者と共有するため、情報漏洩のリスクがあります。依頼する業者が十分なセキュリティ対策を実施していなければなりません。
また、他の顧客の納品書を同梱したり、伝票の記載ミスにより個人情報が流出したりする可能性もあります。業者を選ぶ際は、個人情報の管理体制を確認することが重要です。
梱包代行サービスの料金相場や形態
梱包・発送代行サービスの料金は、基本料金とされる固定費のほかに変動費がかかります。基本料金は、物量や出荷量によって変化するものの、月に1~5万円程度です。
変動費は業者によって異なります。おもな項目としては、入庫費が10~30円/個、ピッキング費が5~30円/個、検品費が10~100円/個、資材費が20~60円/個、梱包費が100~500円、配送費が400~1,200円/個程度です。
梱包・発送代行サービス業者を検討・選定する方法
ここでは、数多くの梱包・発送代行サービス業者のなかから、自社に合う業者を選ぶポイントについて解説します。
発送量や商材の種類に制限はあるか
商品の発送量や商材の種類に制限があるかを確認しましょう。キャンペーンやセール期間中に注文数が増えても、制限なく発送できるか確認が必要です。また、生鮮食品や医薬品、大型家具、家電製品などは、業者よっては対応できない可能性があります。特定の商材を取り扱う場合は、必ず確認しましょう。
在庫保管スペースはあるか
梱包・発送代行サービスを活用する上で、在庫保管スペースの有無は重要なポイントです。大量の在庫を抱える商品に関して依頼する場合、業者側に十分な保管スペースがなければ継続利用ができません。在庫保管スペースの広さは業者によって異なるため、事前に依頼した在庫量を含め、保管可能な容量を確認しておくと安心です。
自社商品との相性はよいか
梱包・発送代行サービスを選ぶ際は、自社で取り扱う商品に対応可能であるかを確認します。食品や大型家具、アクセサリーをはじめとする小物雑貨など、それぞれの商品取り扱いに長けた業者を選びましょう。
自社商品への対応経験が不十分な業者に委託すると、物流の質が下がるおそれがあります。また、依頼する商品の種類や数量が限られている業者もあるため、事前に対応可能であるかを確認しましょう。
ラッピングに対応しているか
梱包・発送代行サービスを選ぶ際、ラッピングに対応しているかも注目すべきポイントです。業者によっては対応していなかったり、業者が用意した梱包資材でのみ対応可能だったりする場合もあるためです。ラッピングに柔軟に対応していれば自社で取り扱う商品をギフト用として販売することもできるため、プレゼントとしての需要が上がる可能性があります。
要望への対応に柔軟性があるか
梱包・発送代行サービスに依頼する内容は、取り扱う商品やキャンペーンごとに変化します。企画したキャンペーンに応じた販売方法やラッピングに対応していないと、キャンペーンが失敗するおそれがあります。そのため、依頼したい内容を事前に業者に伝えて、自社の要望に柔軟に対応できる業者を選びましょう。
まとめ
梱包・発送代行サービスとは、企業に代わって商品の梱包・発送を請け負うものです。物流のプロに委託すると、質を高めつつ、自社の従業員の負担を軽減できます。自社が扱う商品の梱包・発送に長けた業者を選ぶことで、業務効率が大幅に向上するでしょう。
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【執筆者】
会社名:アドレス・サービス株式会社
部署名:営業開発部